千姫天満宮

元和九年(一六二三)三月千姫によって建てられた。
千姫は徳川二代将軍秀忠を父とし、淀君の妹に当たるお江を母とする。乱世に生を受けながらも、
自らの意思を通し、美しく才智に富んだ生涯を送った。

千姫天満宮― 姫路城に咲いた千姫の愛 ―

元和二年(一六一六)九月、本多忠刻のもとに再嫁。翌年姫路城に入府。
千姫の化粧料十万石で西の丸を築き、姫路城はまさに白鷺城と呼ばれるに至った。
千姫は男女二子に恵まれ、姫路で過ごした十年は人生で最も幸せな時期であった。
千姫は天満大自在天神を信仰し、比叡山延暦寺第十三代座主法性坊尊意作の天神木像を守護神として城内に祀っていたが、元和九年(一六二三)三月男山に天満宮を建てこれを遷し、朝夕西の丸長局の廊下から遥拝した。
他に金泥法法華経、観音経、唐鏡、袖手見、羽子板、虎の爪、茶碗、帯などを寄進。

初秋の 風を簾に まきとりて    忠刻 / 軒はにおほふ 竹の葉の露      お千
この連歌は元和五年(一六一九)中秋の名月の宴で、一家の繁栄と幸福感がしみじみと偲ばれる歌である。
今も全国から絵馬に愛の願いを託して神前に掛けられている。
今の社殿は平成十四年春竣工。
千姫天満宮
建立400周年記念羽子板
千姫天満宮
御祭神 菅原道真すがわらのみちざね公(天満大自在天神)
御神徳 学業成就・武道上達・恋愛成就
文化財 千姫羽子板・葵紋等6枚組
― 土佐絵師・宮中祭事絵 ― 比叡山延暦寺第十三代座主法性坊尊意作天神木像
祭礼日 3月中旬〜月末日曜日(梅花祭・勧学祭)
TVオンエア 平成25年 NHK「歴史ヒストリア」
平成27年 NHK「姫路城スペシャル」
平成27年 MBS「世界ふしぎ発見」
平成27年 ABC「歴史街道スペシャル」